縛りの提案

ゲームは様々なルールで作られています。
テトリスみたいなシンプルなルールから作られているゲームもあれば、X3TC みたいな
ルールのお化けのようなビッグゲームまであります。

ルールは色々と考えられます。できたらゲームが面白くなるようなルールが望ましいですね。
一つルールを加えただけでゲームが俄然面白くなるということは良く有ります。
どちらかというとコンピュータゲームよりは、ボードゲームやカードゲームに多いでしょうか。

さて、X3TC に新たにルールを付加するとしたらどんなルールがいいでしょうか。
X3TC でよく取られている制限・プレイスタイルを下記に挙げてみます。

Jumpdrive 絡み

なかなか考慮のし甲斐があるルールです。
有名どころのMODでは、下記のようにサイズでJD の使用を制限しています。

・Ship Rebalance Pack: XL
Fither-class,TS(Tanker),TP 等がJDを使用できなくなります。
TPに関しては結構辛いので変更を検討しているようです。
・New Demension: ST
艦載機がdock できるcarrier やM8-bomber 等のカーゴサイズをST に変更。
そうした船のみjump 可能にしています。hub plot も無効。sector size 50% 増。
加えて、このMODではjump できる場所を限定。とても厳しくなっています。

両MOD 開発者には下記のような共通認識があります。
・JDの安易な使用がゲームの面白さをスポイルしている。宇宙が狭く感じる
・TM,M2 等のCarrier の存在感が薄い
・JD の使用コストを高くする方法で制限するのは、序盤しか通用しない

実際、JD の使用制限があるとゲーム性がドラスティックに変わります。
マイルドに制限するならば、M3-5 のみJD使用不可というところでしょうか。
結構そのように自分で制限してプレイしている人はいるようです。
やってみると、序盤にTM が欲しくなります。

Ship

・自分は商人、軍人・海賊だと決めて特定のタイプにしか乗らない
商人: TS,TL,TP
軍人・海賊: M1-8, TM
このルールはロールプレイ向きかもしれません。
・特定種族の船しか乗らない
これは割と面白いです。特性を把握しきれないほど船の種類があるX3TC。
特定のメーカーだけ乗るようになると、特性が把握できるようになりますし
愛着も湧き、見た目の統一感も出てよろしい。拿捕した船や中古で購入した船の
処理方法を自分で決める必要があります。
・Repair Laser 禁止
これも悪くないルールです。もともとX2では自分で修理できなかったみたいですね。
損傷をさけるために安易な戦闘を慎むようになります。修理はshipyard かマイHQ で。
そもそも、船の外壁修理はTeladianium Panellingが必要という設定だったんじゃ・・という 突っ込みはなしでしょうか。
・Docking Computer 禁止
MOD、 Ship Rebalance Pack ではSTサイズに変更。距離も3km 前後に短縮。
大きな船に限るというのはいいアイディアだと思います。自分でもできますね。

DID(Dead is Dead)アプローチ

2.6パッチになってからSTEAMでできるようになったらしいですね。
国産のゲームだと、風来のシレンシリーズが該当するでしょうか。
死んだら仕舞い。最初からやりなおします。autopilot による交通事故も死亡扱い。
game over は読んで字の如し。Save and Load は認められません。これを採用すると
みだりに戦闘しなくなります。鹵獲による安直な金稼ぎがしづらくなってなかなか面白い。
もうsalvage inurance の残量を気にすることもありません。ハッピー。

制限を設けたいときは、自分ルールとしてそれを守る方がMODより手間がかからなくていいです。

あとがき

X3TC はTES シリーズみたいにRoleplay やアバター遊びがしやすいデザインではありません。
一応プロットミッションとかありますが、ほんとに「一応」です。
「これをやったら面白い」ということを明確には提示しません。
ゲームの「売り」を楽しんでもらえるように、ingame でユーザーを誘導
するということはあまりしない感じです。

そんなわけでX3TC を遊ぶときは、自分で遊び方を考える必要に迫られるというか、常に考えさせられます。
だからこそ途方に暮れる人が大勢でるのかもしれません。マニュアルの不備もそれに拍車をかけてる気がします。
「必要なことはingame で発見して楽しんでね!(汗)」というEGOSOFTの思いやり?でしょうか。

ゲームデザインのスタイルにはX3TC やParadox Interactive のブツみたいに突き放された感じがするのもあれば
大手の国産コンシューマゲーやUBI のビッグタイトルのように、ほんと丁寧にプレイヤーを誘導するのもある。
誘導してゲームの「売り」をわかりやすくするというのは、セールス的にも企画を通すための
プレゼンテーション的にも必要でしょう。

ただ、遊びの大事な要素である「自発性」を損なわないよう配慮が要ります。
プレイヤーを誘導するなら、仕方や頻度に相当気を使わないといけない。
それができないようなら最初から「丁寧に誘導する」ことをあきらめた方がよさそうです。
デザイナーの丁寧に誘導してあげたくなる気持ちは解りますが、誘導される側には結構な負担になります。
自発性を殺して誘導につきあうからには、それなりの見返りを期待するものです。
ああしろこうしろに我慢して付き合った挙句、楽しさが期待以下だったら小さな失望や怒りが
湧くものではないでしょうか。自分であれこれ探索する楽しみを奪って誘導するからには
それに代わる大きな見返りが必要なので、「丁寧に誘導する」ことは実は危険な賭けであるように思うのです。
(その上、受動性の淵には"退屈"という魔物が潜んでおります。TVの視聴、日本の教育現場、カイシャ等は
その性質上、魔物の好む棲息地となり大人も子供も死んだ魚のような眼をしているという伝説はまた別の話)

かたやX-Universe シリーズは、説明書や開発者の言葉に
「新しい遊び(ルール)を自分で発明して試してみて欲しい」
という意図が表れている気がします。下記のフレーズをゲーム内で
見たことがある方は多いでしょう。こうしたフレーズを押し出してくるあたり
確信的に突き放したデザインにしてるんだろうなと思います。
Mission や Plot がしょぼいのも、開発者がそういうのは割とどうでもいいと
思ってるからではないでしょうか。

"Throw your dreams into space like a kite, and you do not know
what it will bring back, a new life, a new friend, a new love, a new country." -Anais Nin

なんだかこういう話をするとロジェ・カイヨワの言説とか
「東京の子供たちにどんな公園が欲しいかアンケートを採ったら、だだっ広い空き地が人気だった」
「ドイツの公園をのこぎりやガラクタを集めた好きに工作できる場所にしたら大人気に」
とかそういう話を思い出します。

筆者自身、X3TCが楽しいのは
「射的・お店屋さんごっこ といった人気のある原始的な遊びが土台」
「それを可能にするままごと道具を用意して、好きに遊ばせる」
「いろんな働きかけができ、それによって異なる反応がすぐ返ってくる」
といった特徴があるからなのかなと考えます。

まぁーなんというか、いろいろ御託を並べましたがX-Universe は
なかなか遊び甲斐のあるプレイグラウンドです。
皆様が面白い遊び方を発見できるよう願いつつ、脱稿。

(columnist: universo 2010/05/31)

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Last-modified: 2010-05-31 (月) 20:08:30
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